2026/08/31
片方の歯ばかりで噛む癖はありませんか。あるいは、鏡を見ていて口角の高さが左右で違うように感じたことはないでしょうか。実はそうした変化に、噛み合わせが関わっていることがあります。
こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。当院では顔全体を立体的にスキャンする装置を導入し、噛み合わせと顔のバランスをあわせて確認できるようになりました。今回は、噛み合わせと顔の関係、そしてそれをどう診ているかについてお話ししていきます。
目次
噛み合わせのずれは、顔にもあらわれます
これまで分からなかったこと
顔まで含めて重ね合わせる
「見える説明」が変えたもの
治療後の姿を、一緒に見ながら決める
まとめ:歯だけでなく、顔全体のバランスから考える
噛み合わせのずれは、顔にもあらわれます
噛み合わせが少しずれているだけでも、顔の左右差やフェイスラインに影響が出ることがあります。
無意識の噛み癖はご自身では気づきにくいものです
たとえば、片方の歯でばかり噛む癖があると、筋肉のつき方が左右で変わってきます。その結果、口角の高さが左右で違って見えることもあるのです。
顔のバランスは、思いのほか繊細にできています。お口の中の小さなずれが、外から見える印象にまでつながっていく。そう考えると、噛み合わせを整えることの意味も少し変わって見えてくるのではないでしょうか。
ご自身では気づきにくい部分でもあります。長年の噛み癖は無意識のうちに身についているもので、指摘されて初めて「言われてみれば」と思い当たる方がほとんどです。
これまで分からなかったこと
以前は、レントゲンや模型を使って、歯や骨の情報だけを見ながら噛み合わせを調整していました。
顔とのバランスという最後の一片が加わりました
しかしそれだけでは、軟組織、つまり顔の表情や唇の動きまでは分かりません。コンピューター上でかぶせ物の設計をしていても、きれいな歯並びではあるけれど、それが実際にその方のお顔に合っているのかどうかは判断できなかったのです。
CTのデータとお口の中のスキャンデータを重ね合わせるところまではできていました。ただ、顔とのバランスという最後の一片が欠けていた、という状態でした。
顔まで含めて重ね合わせる
当院が導入したのは、患者さんの顔全体を立体的にスキャンし、歯や顎、表情を組み合わせてデジタルデータとして記録できる装置です。
噛み合わせの水平ラインを顔全体の中で確認できます
これにより、CTで得られる骨の位置や顎の関節の情報、お口の中のデジタルデータ、そして顔のスキャンデータという3つを重ね合わせられるようになりました。
たとえば咬合平面、いわゆる噛み合わせの水平ラインが、顔全体のどの位置にあるのかを立体で確認できます。歯だけを見ていたときには分からなかった関係が、目に見える形になったということです。
インプラント治療では以前から、CTのデータとお口の中のデータを組み合わせて埋入位置を計画する仕組みを使ってきました。そこに顔の情報が加わったことで、計画の精度をお顔全体との関係でも確かめられるようになりました。
「見える説明」が変えたもの
実際に使ってみて、いちばん大きく変わったのは説明の仕方でした。
ご自身の目で見て理解していただけます
これまではCTの画像や模型、お口の中の写真をお見せしながらご説明していましたが、平面の情報ではどうしてもイメージがつかみにくいのです。「こう変わります」とお伝えしても、伝わりきらないもどかしさがありました。
顔全体を立体で映し出せると、「この位置に歯が入るとこう見えます」「この角度だと自然です」といったお話がしやすくなります。ご自身のお顔で見ていただけますから、説得力がまるで違います。
以前は「先生がそう言うなら」と信頼していただくしかなかった部分が、いまはご自身の目で見て理解していただけるようになりました。これは患者さんにとって、大きな安心につながっていると感じています。
治療後の姿を、一緒に見ながら決める
矯正治療やインプラント治療、審美的な治療では、治療後にどう変わるのかを立体でシミュレーションしながらご相談できます。
実際の仕上がりには個人差があります
そうすると、患者さんのほうから「もう少し歯が長いほうがいい」といったご要望が出てくることもあります。こちらが一方的に提案するのではなく、一緒に見ながら決めていける。納得して選んでいただける治療に近づいたと思います。
なお、実際の仕上がりには個人差があります。骨や歯ぐきの状態によってできること・できないことがありますので、シミュレーションはあくまで検討のための材料としてご覧いただき、詳しくは診査・診断のうえでご説明しています。
まとめ:歯だけでなく、顔全体のバランスから考える
当院が大切にしている一口腔単位の治療は、悪くなった部分だけを治すのではなく、お口全体を見て計画を立てるという考え方です。今回お話しした顔とのバランスは、その考え方をさらに一歩広げたものだといえます。
お顔全体のバランスを含めてご説明します
噛み合わせは、噛めるかどうかという機能の問題であると同時に、見た目の印象にも関わってきます。どちらか一方だけを追いかけても、良い結果にはつながりにくいのです。
片方でばかり噛む癖がある、顔の左右差が気になる、噛み合わせを指摘されたことがある。そうした心当たりのある方は、一度ご相談ください。お口の中だけでなく、お顔全体のバランスを含めてご説明させていただきます。
松山市駅から徒歩2分の当院では、お顔全体のバランスを見ながら治療計画をご提案しています。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。
執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾
2026/08/24
人生100年時代といわれるようになりました。80歳までと思っていた人生設計に、さらに20年が加わったことになります。その間、私たちはずっと自分の歯を使い続けます。
こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。私は歯科医師であると同時に、FP2級(ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を持っています。今回はその視点も交えて、歯の予防とお金を守ることのつながりについてお話ししていきます。
目次
94年間、使い続けられるものはほかにありません
歯を失うことは、家計にも影響します
予防にかかる費用を考えてみる
ただし、通えばよいというわけではありません
資産設計と、歯の治療計画は似ています
まとめ:歯を守ることは、人生を守ること
94年間、使い続けられるものはほかにありません
いちばん早く生えてくる大人の歯は、6歳ごろから使い始めます。仮に100歳まで生きるとすれば、その歯を94年間使い続けることになります。
無傷で使い続けるには予防が欠かせません
身の回りを見渡してみてください。94年間、無傷で使えたものが何かあるでしょうか。家でさえ、その間には建て直したり、補修したりしますよね。
無傷のまま94年というのは、正直なところ奇跡に近いことです。だからこそ、その奇跡を起こすために予防が大切になってくるのです。
しかも歯は、毎日休みなく働き続けます。食事のたびに強い力がかかり、酸にもさらされる。これほど過酷な条件で使われる部位は、体の中でもそう多くありません。
歯を失うことは、家計にも影響します
大人の歯は、一度失われると二度と生えてきません。そして歯を失うと、食べられるものが制限されます。
歯を守ることはお金を守ることにつながります
食生活が制限されれば、体の健康そのものを損ないます。その結果として、医療費や介護費の増加につながっていくのです。
つまり、歯を守ることは、そのままお金を守ることに直結しています。失ってからの治療にも当然費用がかかりますし、それが複数本ともなれば、老後の資金計画にも小さくない影響が出てきます。
噛めないものが増えると、食べるものが偏ります。やわらかいものばかりを選ぶようになり、栄養のバランスが崩れていく。歯の問題が体全体に広がっていくのは、こうした道すじです。
予防にかかる費用を考えてみる
一方で、予防にかかる費用はどうでしょうか。定期検診やクリーニングは、1回あたり数千円程度です。
定期検診・クリーニングの目安です。内容により異なります
4か月に1回、あるいは半年に1回のペースであれば、年間で1万円から2万円ほど。この程度の負担でお口の健康を保ち、将来の大きな出費を防げるのだとすれば、費用対効果は非常に高いといえます。
これは今40代、50代、60代の方にも当てはまりますが、私が特にお伝えしたいのはお子さんのことです。これからお子さんには、物価の上昇も含めていろいろな場面でお金がかかります。そのうえ歯にまで大きな費用がかかるのは、ご家庭にとって大きな負担です。小さいうちに予防の習慣をつけておくことが、いちばんの備えになります。
ただし、通えばよいというわけではありません
ここは正直にお伝えしておきたいのですが、定期検診に通いさえすれば歯が守れる、というわけではありません。
ご自宅のセルフケアとの両輪が欠かせません
虫歯があるかないか、歯周病があるかないかを見るだけでは不十分です。噛み合わせもきちんと確認して、ここに負担がかかっているから少し削って調整しましょう、といったところまで診てくれるかどうか。そこまで行う予防でなければ、期待した効果は出にくいのです。
そしてもうひとつ、定期的な受診にプラスして、ご自宅でのセルフケアが欠かせません。この二つは両輪です。ご自身できちんと磨いたうえで、定期的に歯科医院で歯石を取り、歯周病の治療や噛み合わせの調整を受ける。歯科医院に行くだけで歯が守れるわけではない、という点はぜひ覚えておいてください。
資産設計と、歯の治療計画は似ています
ファイナンシャルプランニングでは、ご自身が何歳のときにどうなるのかを見通しながら、何を優先するかを考えて計画を立てていきます。
考え方の骨組みは同じです
歯の治療も、実はよく似ています。資産を分散して守るのと同じで、歯も1本ずつ治していくのではなく、お口全体を見て予防し、治療していくことが大切です。
1本ずつ治していっても、ほかがだめになってしまえば結果は変わりません。当院が掲げる一口腔単位の包括治療は、まさにライフプランの設計に近い考え方です。その場だけの短期的な治療ではなく、長期的な視点で計画を立てることが、将来の安心につながっていきます。
何歳のときに何が起こりうるかを想定して、そこから逆算して備える。お金の計画でも、お口の計画でも、考え方の骨組みは同じだと感じています。
まとめ:歯を守ることは、人生を守ること
歯は健康資産であり、人生100年時代の生活を支える基盤です。食べることは、そのまま生きることに直結しています。
今日から予防を意識していただければと思います
当院では一口腔単位の包括治療を行っております。1本の歯だけを見るのではなく、お口全体をひとつの単位として、長い時間軸で計画を立てていきます。
歯を守ることは、人生を守ることにつながります。ぜひ今日から予防を意識していただければと思います。ご自身に合った検診の間隔やケアの方法については、お気軽にご相談ください。
当院の費用については、ホームページの費用についてのページにも掲載しております。あわせてご覧いただければと思います。
松山市駅から徒歩2分の当院では、噛み合わせまで確認する定期検診を行っています。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。
執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾
2026/08/17
「夜、歯ぎしりしていたよ」とご家族から言われたことはありませんか。あるいは日中、ふと気づくと奥歯を強く噛みしめている。そんな経験のある方は少なくないと思います。
こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。私は歯科医師であると同時に、アロマテラピー1級の資格を持っています。今回はその知識も交えながら、歯ぎしり・食いしばりとストレスの関係、そしてご自宅でできるケアについてお話ししていきます。
目次
歯ぎしり・食いしばりはストレスのサイン
放置すると起こること
マウスピースでできること、できないこと
香りを使ったセルフケア
もうひとつ大切なのは呼吸です
まとめ:歯の治療と生活習慣、両方から整える
歯ぎしり・食いしばりはストレスのサイン
歯ぎしりや食いしばりは、ストレスが原因で起こることが非常に多いものです。眠っている間のことですから、ご自身ではなかなか気づけません。
ひとつでも当てはまれば一度ご相談ください
日中の食いしばりも同じです。仕事や家事に集中しているとき、無意識に奥歯を噛みしめている方は思いのほか多くいらっしゃいます。
「ストレスがある」と自覚していなくても、体のほうが先に反応していることがあります。歯ぎしりは、その反応が歯にあらわれたものだとお考えいただくと分かりやすいかもしれません。
ご家族に指摘されて初めて気づいた、という方が実際とても多いのです。心当たりのある方は、一度お口の中を診させていただく価値があります。
放置すると起こること
そのままにしておくと、まず歯そのものがすり減っていきます。詰め物やかぶせ物が割れる、歯そのものが割れる、といったことも起こります。
噛みしめは体全体に負担をかけます
影響はお口の中だけにとどまりません。顎関節症、頭痛、そして肩こりにつながることもあります。噛みしめるという行為は、それだけ体に負担をかけているのです。
とくに詰め物やかぶせ物が入っている歯は注意が必要です。強い力が繰り返しかかることで、材料が耐えきれずに欠けたり外れたりすることがあります。
歯ぎしりや食いしばりで得をすることは、ひとつもありません。気づいた時点で手を打っていただきたいと思います。
マウスピースでできること、できないこと
歯ぎしりが強い方には、歯を守るためのマウスピース(ナイトガード)を使う治療があります。眠っている間の歯の摩耗や負担を軽くするうえでは、たいへん効果的です。
歯を守りながら原因にも手を入れる二本立てで
ただ、正直にお伝えしておきたいのですが、これは対症療法です。いま起きていることを緩和するためのもので、原因そのものを解決してくれるわけではありません。
ですから、頭痛が続く、肩こりが治らないといった症状については、根本的なところから見ていく必要があります。つまり、ストレスそのものを減らす工夫が欠かせないということです。
マウスピースで歯を守りながら、並行して原因のほうにも手を入れていく。この二本立てで考えていただくのがよいと思います。
香りを使ったセルフケア
ストレスを和らげる方法のひとつが、香りを使ったセルフケアです。当院でも以前からアロマを取り入れており、その効果をきちんと学びたいと思ったことが、私が資格を取ったきっかけでした。
ティッシュに1滴垂らして枕元に置くだけで十分です
リラックス効果があるといわれるのがラベンダーです。ベルガモットは気持ちを明るくしてくれる爽やかな香り、ゼラニウムは自律神経のバランスを整える働きがあるといわれています。
使い方は難しくありません。ティッシュに精油を1滴垂らして枕元に置いていただくだけで十分です。寝る前に軽く香りを取り入れると、心と体が落ち着いて深く眠れるようになり、それが歯ぎしりの軽減につながることがあります。
香りの好みは人それぞれです。ご自身が心地よいと感じる香りの中から、リラックスできるものを選んでいただくと、より深く眠れる香りに出会えるはずです。
もうひとつ大切なのは呼吸です
香りと合わせてぜひ意識していただきたいのが、呼吸です。交感神経が優位になっていると、どうしても呼吸が浅くなってしまいます。
深呼吸は1日に何回行っても構いません
おすすめは、鼻から4秒かけてゆっくり吸い、6秒かけてゆっくり吐く方法です。これを数回繰り返すと副交感神経が優位になり、体が眠りやすい状態に整っていきます。顎の力みも抜けやすくなります。
深呼吸は、それだけでも十分な効果があります。1日に何回行っていただいても構いません。疲れたなと感じたときに、体を伸ばしながらゆっくり呼吸をするだけで、頭がすっきりして気持ちもリフレッシュできます。
生活習慣の面では、ベッドにスマートフォンを持ち込まない、といった小さなことから始めていただくのもよいと思います。
まとめ:歯の治療と生活習慣、両方から整える
歯ぎしりや食いしばりは、歯だけの問題ではありません。噛み合わせを含めたお口全体、そしてそれを取り巻く生活習慣まで含めて考えていく必要があります。
歯の治療と生活習慣の両方から整えます
当院では一口腔単位の治療を大切にしていますが、それはお口の中だけを見るという意味ではありません。生活習慣も含めてアドバイスさせていただいています。
日ごろのケアについては、虫歯・歯周病予防のページでもご案内しています。あわせてご覧いただければと思います。
朝起きたときに顎がだるい、歯科医院で歯がすり減っていると言われた。そうした心当たりがある方は、早めにご相談ください。そのうえで、日常では香りと呼吸を取り入れて、心を緩めていっていただければと思います。
どのような対応が向いているかは、噛み合わせの状態によって変わります。無料カウンセリングも行っておりますので、まずはお気軽にお越しください。
松山市駅から徒歩2分の当院では、噛み合わせまで含めて歯ぎしりの原因を一緒に考えていきます。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。
執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾
2026/08/10
歯科医院に一歩入った瞬間、あの独特の匂いで身構えてしまう。そんな経験のある方は少なくないと思います。実はあの匂いには正体があり、そして緊張をやわらげる方法もあります。
こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。私は歯科医師であると同時に、アロマテラピー1級の資格を持っています。香りと歯科治療は一見関係がなさそうですが、実はとても相性のよいものなのです。今回は、歯医者が苦手な方に知っておいていただきたいお話をします。
目次
「歯医者の匂い」の正体
匂いと記憶は、脳の中で直結しています
香りにはそれぞれ働きがあります
通院前にご自宅でできること
香りを使うときの注意点
まとめ:不安はゼロにできなくても、コントロールはできます
「歯医者の匂い」の正体
多くの方が思い浮かべるあの独特な匂いは、根の治療をするときに使うお薬の匂いです。かなり強い匂いで、これが「歯医者さんの匂い」として皆さんの記憶に定着してきました。
匂いで身構えてしまう方は少なくありません
実はそのお薬自体、最近では使われることが少なくなってきています。ですから、強烈な匂いはだいぶ減ってきているのです。
それでも、歯科医院は怖い、緊張するというイメージに、あの匂いが深く関わっていることは間違いありません。院内に入って匂いを感じただけで身構えてしまうという方は、実際にとても多くいらっしゃいます。
小さい頃の記憶が残っていて、大人になってからも足が向かないという方もいらっしゃいます。これは気持ちの持ちようの問題ではなく、脳の仕組みによるものですから、気合いで乗り切ろうとしなくて大丈夫です。
匂いと記憶は、脳の中で直結しています
なぜ匂いだけでそこまで緊張してしまうのか。それは、嗅覚が脳の感情や記憶と直結しているからです。
香りは安心のスイッチにもなります
嗅細胞は脳神経のひとつで、鼻は脳に直接つながっているようなものです。ですから匂いを嗅ぐと、その情報は脳へまっすぐ届きます。「この匂いはあの場所」という結びつきが、瞬間的によみがえるわけです。
ただ、これは裏を返せば、香りは安心のスイッチにもなるということです。痛みそのものは同じでも、怖さが下がるだけで、処置の受け止め方は変わってきます。
香りにはそれぞれ働きがあります
香りには、それぞれ異なる働きがあるといわれています。ラベンダーはリラックス効果があるとされ、眠るときによく使われます。
ご自身が心地よいと感じる香りがいちばんです
オレンジスイートは、前向きで明るい気持ちになれるような香り。ティーツリーは、清涼感や清潔感のあるイメージの香りです。
当院ではこうした香りを組み合わせて、気持ちを落ち着けて治療を受けていただける環境づくりに役立てています。歯科医院特有の匂いをなるべく感じさせないように、という心がけでもあります。
最近はご家庭でも、お部屋ごとに香りを変えて楽しんでいらっしゃる方が増えました。ご自身が心地よいと感じる香りがあれば、それを通院前に使っていただくのがいちばんです。好きな香りだと思えるだけでも、体はゆるみます。
通院前にご自宅でできること
歯科医院に来る前の段階で、緊張を和らげておくこともできます。とても簡単な方法をご紹介します。
精油がなければ呼吸だけでも構いません
ティッシュにラベンダーの精油を1滴垂らして、近くに置いてください。そのうえで、鼻から4秒ほどかけてゆっくり息を吸い、6秒かけて口からゆっくり吐きます。これを5回繰り返すだけで、呼吸が整い、気持ちが落ち着いていきます。
緊張すると呼吸は浅くなります。ゆっくりと深呼吸をすることそのものに効果がありますので、精油がお手元になければ、呼吸だけでも構いません。
当院では、麻酔の前や、長い処置の合間の休憩のタイミングで香りを取り入れることもあります。体と心の切り替えがスムーズになるように、という意図です。
処置が2時間、長い場合は半日近くに及ぶこともあります。そうしたときは途中で一度休憩を挟み、そのタイミングで香りを取り入れると、体と心の切り替えがスムーズになります。
香りを使うときの注意点
香りには好き嫌いがありますし、使い方には注意も必要です。
当てはまりそうな方は事前にご確認ください
まず、香りが強すぎると、かえって気分が悪くなってしまうことがあります。ほんの少しで十分に届きますので、量は控えめにしてください。
また、妊娠中の方や持病をお持ちの方は、避けたほうがよい香りもあります。小さなお子さんやペットがいるご家庭でも、吸いすぎがよくない場合があります。ご自身に当てはまりそうな場合は、事前にご確認のうえ、安全第一でお使いください。
まとめ:不安はゼロにできなくても、コントロールはできます
当院では一口腔単位の包括的な治療を大切にしています。1本ずつの歯ではなく、お口全体をひとつの単位として考える治療です。
不安をゼロにはできなくても、和らげることはできます
ただ、そうした治療はどうしても長くなります。1年がかり、2年がかりということもありますから、安心してリラックスして通っていただける環境づくりにも力を入れています。香りもそのひとつです。
不安をゼロにすることは、正直なところ難しいと思います。それでも、香り、呼吸、姿勢という工夫で、上手にコントロールすることはできます。そして何より大切なのは、歯科医師との信頼関係です。歯科医院が苦手な方こそ、一度ご相談いただければと思います。
どうしても不安が強いという方には、静脈内鎮静法という選択肢もあります。まずは無料カウンセリングでご不安な点をお聞かせいただければ、そのうえで進め方をご相談できます。
松山市駅から徒歩2分の当院では、歯医者が苦手な方にも安心して通っていただけるよう心がけています。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。
執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾
2026/08/03
毎日きちんと磨いているのに、どうして虫歯や歯周病になってしまうのか。診療の場でよくいただくご質問です。実はその原因の多くが、歯ブラシだけでは落としきれない汚れが残っていることにあります。
こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。今回は、歯ブラシだけのケアがなぜ不十分なのか、そしてデンタルフロスや歯間ブラシをどう使い分ければよいのかについてお話ししていきます。今日から始められることばかりですので、ぜひ最後までお読みください。
目次
歯ブラシで落とせる汚れは全体の約6割
フロスと歯間ブラシ、どう使い分けるか
電動歯ブラシは「当てるだけ」では不十分
お子さんの歯みがきで気をつけたいこと
意外と知られていない「磨くタイミング」
まとめ:プラス1の習慣と、定期的なプロのケア
歯ブラシで落とせる汚れは全体の約6割
歯ブラシで落とせる汚れは、全体の約6割といわれています。つまり、どれだけ丁寧に磨いても、4割は残ってしまう計算になります。
残りの約4割は歯と歯の間などに残ります
特に届きにくいのが、歯と歯の間、歯ぐきとの境目、そして奥歯の裏側です。このあたりは歯ブラシの毛先がどうしても入っていきません。
私自身、臨床をしていて実感するのですが、虫歯になりやすい場所は歯と歯の間が圧倒的に多いのです。つまり、歯ブラシがいちばん届きにくいところが、いちばん虫歯になりやすいということになります。
「毎日ちゃんと磨いています」という方ほど、この事実を知って驚かれます。磨き方が悪いのではなく、道具の性質上どうしても届かない場所がある、ということなのです。
フロスと歯間ブラシ、どう使い分けるか
残りの4割を落とすために登場するのが、デンタルフロスと歯間ブラシです。ところが日本では、これらを使っている方が2割ほどしかいらっしゃいません。アメリカでは7割から8割の方がフロスを使っているといわれますから、その差は大きなものです。
迷ったときは受診の際にご相談ください
使い分けの目安をお伝えします。フロスを通したときに引っかかる、抵抗を感じるという方は、歯と歯が接している状態ですので、フロスが向いています。
逆に、フロスを通しても抵抗がなくスカスカだという方、また歯ぐきが下がって歯と歯の間の隙間が大きくなっている方は、歯間ブラシのほうが使いやすいでしょう。ご自身がどちらか分からないときは、受診の際にお尋ねください。
電動歯ブラシは「当てるだけ」では不十分
電動歯ブラシについてもよく聞かれます。私自身も使っていますが、正しく使えばとても効果的です。特に、手の動きが不自由な方、ご高齢の方、磨き残しが多い方にはおすすめできます。
当て方や磨く時間は製品ごとに異なります
ただし、当てるだけで完璧になるわけではありません。メーカーによって適した当て方や磨く時間が違いますので、その製品に合った使い方を意識していただくことがとても大切です。
電動だから手を抜いてよい、ということではないのですね。どこに毛先が当たっているかを意識できるかどうかで、仕上がりは大きく変わってきます。
お子さんの歯みがきで気をつけたいこと
お子さんの場合は、電動ではなく手を動かして磨くことを基本にしてください。小さいうちに手の動かし方そのものを覚えることが、その後ずっと役に立ちます。
磨き方は年齢や歯並びによって変わります
気をつけていただきたいのが、六歳臼歯とも呼ばれる第一大臼歯です。生えてくる途中の時期は、上からまっすぐ歯ブラシを当てても毛先が届きません。横から入れて、噛み合わせの面にしっかり当てるようにしてください。
歯並びがガタガタしているところは、横磨きだけでなく縦に動かす必要が出てくることもあります。磨き方は年齢や生え変わりの状態、歯並びによって変わります。ご自身やお子さんに合った磨き方が分からないときは、歯科医院で指導を受けていただくのがいちばん確実です。
意外と知られていない「磨くタイミング」
食後すぐには磨かないほうがよい、と聞いたことのある方も多いと思います。これは条件付きで正しい話です。
何を食べたかによってケースバイケースです
柑橘類や炭酸飲料など、酸性のものを口にした直後は、歯の表面が一時的に柔らかくなっています。この状態ですぐにゴシゴシ磨くと、エナメル質が削れてしまう可能性があります。まず軽くうがいをしてお口の中を中性に戻し、20分から30分ほど経ってから磨くのが理想的です。
一方で、甘いものや粘着性の高いお菓子を食べた後は、比較的すぐに磨いたほうがよい場合もあります。何を食べたかによって変わりますので、ケースバイケースとお考えください。
まとめ:プラス1の習慣と、定期的なプロのケア
ご家庭でどれだけ丁寧に磨いても、落とせない汚れがあります。歯の表面にはバイオフィルムという細菌の膜ができ、これは歯ブラシでは落とせません。
どれかひとつからでも始められます
これを落とすのが、歯科医院で行うPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)です。目安は3か月から4か月に1回程度。虫歯や歯周病の予防、口臭の予防にも効果的ですし、歯の表面がツルツルになって汚れがつきにくくなります。
今日お伝えしたかったのは、歯ブラシだけではケアが不十分だという現実と、プラス1の習慣で歯を守れるということです。フロス、歯間ブラシ、電動歯ブラシ、定期的なプロのケア。どれかひとつでも構いませんので、今日から新しいケアを始めていただければと思います。
松山市駅から徒歩2分の当院でも、お一人おひとりに合った磨き方やフロスの使い方をお伝えしています。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。
執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾