噛み合わせと顔のバランス。3D顔面スキャナーで見えること
片方の歯ばかりで噛む癖はありませんか。あるいは、鏡を見ていて口角の高さが左右で違うように感じたことはないでしょうか。実はそうした変化に、噛み合わせが関わっていることがあります。
こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。当院では顔全体を立体的にスキャンする装置を導入し、噛み合わせと顔のバランスをあわせて確認できるようになりました。今回は、噛み合わせと顔の関係、そしてそれをどう診ているかについてお話ししていきます。
目次
噛み合わせのずれは、顔にもあらわれます
これまで分からなかったこと
顔まで含めて重ね合わせる
「見える説明」が変えたもの
治療後の姿を、一緒に見ながら決める
まとめ:歯だけでなく、顔全体のバランスから考える
噛み合わせのずれは、顔にもあらわれます
噛み合わせが少しずれているだけでも、顔の左右差やフェイスラインに影響が出ることがあります。

たとえば、片方の歯でばかり噛む癖があると、筋肉のつき方が左右で変わってきます。その結果、口角の高さが左右で違って見えることもあるのです。
顔のバランスは、思いのほか繊細にできています。お口の中の小さなずれが、外から見える印象にまでつながっていく。そう考えると、噛み合わせを整えることの意味も少し変わって見えてくるのではないでしょうか。
ご自身では気づきにくい部分でもあります。長年の噛み癖は無意識のうちに身についているもので、指摘されて初めて「言われてみれば」と思い当たる方がほとんどです。
これまで分からなかったこと
以前は、レントゲンや模型を使って、歯や骨の情報だけを見ながら噛み合わせを調整していました。

しかしそれだけでは、軟組織、つまり顔の表情や唇の動きまでは分かりません。コンピューター上でかぶせ物の設計をしていても、きれいな歯並びではあるけれど、それが実際にその方のお顔に合っているのかどうかは判断できなかったのです。
CTのデータとお口の中のスキャンデータを重ね合わせるところまではできていました。ただ、顔とのバランスという最後の一片が欠けていた、という状態でした。
顔まで含めて重ね合わせる
当院が導入したのは、患者さんの顔全体を立体的にスキャンし、歯や顎、表情を組み合わせてデジタルデータとして記録できる装置です。

これにより、CTで得られる骨の位置や顎の関節の情報、お口の中のデジタルデータ、そして顔のスキャンデータという3つを重ね合わせられるようになりました。
たとえば咬合平面、いわゆる噛み合わせの水平ラインが、顔全体のどの位置にあるのかを立体で確認できます。歯だけを見ていたときには分からなかった関係が、目に見える形になったということです。
インプラント治療では以前から、CTのデータとお口の中のデータを組み合わせて埋入位置を計画する仕組みを使ってきました。そこに顔の情報が加わったことで、計画の精度をお顔全体との関係でも確かめられるようになりました。
「見える説明」が変えたもの
実際に使ってみて、いちばん大きく変わったのは説明の仕方でした。

これまではCTの画像や模型、お口の中の写真をお見せしながらご説明していましたが、平面の情報ではどうしてもイメージがつかみにくいのです。「こう変わります」とお伝えしても、伝わりきらないもどかしさがありました。
顔全体を立体で映し出せると、「この位置に歯が入るとこう見えます」「この角度だと自然です」といったお話がしやすくなります。ご自身のお顔で見ていただけますから、説得力がまるで違います。
以前は「先生がそう言うなら」と信頼していただくしかなかった部分が、いまはご自身の目で見て理解していただけるようになりました。これは患者さんにとって、大きな安心につながっていると感じています。
治療後の姿を、一緒に見ながら決める
矯正治療やインプラント治療、審美的な治療では、治療後にどう変わるのかを立体でシミュレーションしながらご相談できます。

そうすると、患者さんのほうから「もう少し歯が長いほうがいい」といったご要望が出てくることもあります。こちらが一方的に提案するのではなく、一緒に見ながら決めていける。納得して選んでいただける治療に近づいたと思います。
なお、実際の仕上がりには個人差があります。骨や歯ぐきの状態によってできること・できないことがありますので、シミュレーションはあくまで検討のための材料としてご覧いただき、詳しくは診査・診断のうえでご説明しています。
まとめ:歯だけでなく、顔全体のバランスから考える
当院が大切にしている一口腔単位の治療は、悪くなった部分だけを治すのではなく、お口全体を見て計画を立てるという考え方です。今回お話しした顔とのバランスは、その考え方をさらに一歩広げたものだといえます。

噛み合わせは、噛めるかどうかという機能の問題であると同時に、見た目の印象にも関わってきます。どちらか一方だけを追いかけても、良い結果にはつながりにくいのです。
片方でばかり噛む癖がある、顔の左右差が気になる、噛み合わせを指摘されたことがある。そうした心当たりのある方は、一度ご相談ください。お口の中だけでなく、お顔全体のバランスを含めてご説明させていただきます。
松山市駅から徒歩2分の当院では、お顔全体のバランスを見ながら治療計画をご提案しています。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。
執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾
