ダイレクトボンディングとは。削る量を抑えて色と形を整える

2026/11/02

11月に入り、街路樹の色づきが進んできました。年末に向けて、人と会う機会や写真に写る機会が増える季節です。前歯のすき間や銀色の詰め物が気になりながらも、歯を大きく削る治療には抵抗がある、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。今回は、歯を削る量を抑えて色や形を整える「ダイレクトボンディング」について、どのような治療なのか、どんなお悩みに向いているのか、費用や注意点まで順にお話しします。

目次

ダイレクトボンディングとは
どんなお悩みに向いているか
削る量が少なく、1日の通院で終わる
デメリットと知っておきたい注意点
治療の流れと費用
まとめ:削る量を抑えて、気になる部分を整える

ダイレクトボンディングとは

虫歯治療で銀色の詰め物をした経験のある方は多いと思います。実は、先進国の中で虫歯に銀色の詰め物を使うのは日本くらいで、ほかの国ではコンポジットレジンと呼ばれる白いプラスチックの詰め物が使われています。

保険適用のレジンは素材が限られ色味に限界があるのに対し、ダイレクトボンディングはセラミックの粒子を配合した材料を組み合わせて色を合わせる自由診療であることを比べた図
どちらも白い詰め物ですが、材料と色の再現性が違います

日本でも近年、このレジンが選ばれるようになってきました。ただ、保険で使えるレジンは素材が限られ、天然の歯と同じような色味にするには限界があります。

そこで、より見た目にこだわった治療法として生まれたのがダイレクトボンディングです。保険のレジンに細かいセラミックの粒子を混ぜ込んだ「ハイブリッドセラミック」を、歯に直接盛って形を作ります。研磨すると光沢が増し、数種類の材料を組み合わせて、患者さまの歯の色に合わせて詰めることができます。

塗り重ねて歯の変色を修正したり、歯の形を整えて歯並びの見た目を良くしたりすることもできます。

どんなお悩みに向いているか

向いているのは、まず小さな虫歯の治療跡です。以前に治療した銀色の詰め物を外して詰め直せば、見た目の印象を変えることができます。ただし大きな虫歯には適しません。長年のうちにすき間ができ、新たな虫歯や歯周病の原因になるからです。

小さな虫歯の跡、歯の変色、前歯のすき間、歯の形や大きさという、ダイレクトボンディングが向いている4つのお悩みを示した図
大きな虫歯や広すぎるすき間には適用できません

次に、歯の変色です。黄ばみや黒ずみが気になる歯にハイブリッドセラミックを何度も塗り重ね、周りの歯の色味に近づけていきます。歯を削ることなく色を改善したい方に向いています。

そして、前歯のすき間、いわゆる「すきっ歯」です。歯を少し大きく形作ってすき間をなくします。事故や歯ぎしりで形が変わった歯、大きさがそろっていない歯も、ほかの歯とのバランスを見ながら整えられます。

一方で、すき間があまりに広い場合や面積が広すぎる場合は適用できず、別の方法をご提案します。

削る量が少なく、1日の通院で終わる

大きなメリットは、通常の詰め物のように型取りをしないため、1日の通院で治療が終わることです。虫歯の部分を取り除いたあと、その場でハイブリッドセラミックを詰めていきます。

型取りがなく1日の通院で終わる、削る量が少ない、歯とのすき間ができにくく再発を抑える、歯の形や大きさを修正できるという4つのメリットを示した図
健康な歯の部分をより多く残せます

もうひとつは、歯を削る量が少ないことです。歯は一度削ると元には戻りません。できるだけ長くご自身の歯で過ごすには、削る量を抑えることが大切です。ダイレクトボンディングでは虫歯になった部分だけを最小限取り除いて詰めるため、健康な部分をより多く残せます。

また、直接詰めるので歯とのすき間ができにくく、虫歯の再発を抑えることにもつながります。軽いすきっ歯やわずかなゆがみなら、何年もかかる矯正治療をせずに見た目を整えられる場合があります。

デメリットと知っておきたい注意点

型取りをせずに歯科医師が直接詰めて形を作るため、仕上がりは歯科医師の技術に大きく左右されます。また、丁寧に色を重ねていく分、治療時間が長くなることもデメリットといえます。

ダイレクトボンディングに使うハイブリッドセラミックの寿命の目安が4〜6年程度であることを示した図
保険のレジンは3年程度で変色することが多いとされています

すべての歯に使えるわけではありません。ハイブリッドセラミックはセラミックに比べると強度が劣るため、奥歯のように強い力がかかる部位には向かず、治療する面積が広すぎる場合も適用外になります。強い力がかかると、割れたり欠けたり、はがれたりすることもあります。

寿命は、保険のレジンが3年程度で変色することが多いのに対し、ハイブリッドセラミックは4〜6年程度はもつとされています。ただし樹脂である以上、時間とともに変色することはあります。近年は技術の進歩で接着力や摩耗の問題も改善され、条件付きで奥歯の噛み合わせ部分に使える場合もあります。

治療の流れと費用

治療はカウンセリングから始まります。気になる症状やご要望をお聞きし、歯の色や形、歯並び、噛み合わせを確認したうえで、メリットとデメリット、治療回数、費用をご説明します。ほかの治療法についてもあわせてお伝えします。

ご相談、必要な場合の型取り、歯の清掃、ハイブリッドセラミックを直接詰める処置、2度目の来院での仕上げという治療の流れを示した図
通常は1日の通院で治療が終わり、2度目の来院で仕上げます

形を変える場合は、型枠用の型取りをして模型で最終的な形を確認することがあります。着色や歯石がある場合は先にクリーニングを行い、ホワイトニングをご希望の方は、色味をそろえるため先に済ませます。

そのうえで、ハイブリッドセラミックを歯に直接詰めていきます。元の歯と同じ色味になるよう多種類の材料を混ぜ、事前にデザインした形と色に仕上げます。治療時間は処置の内容にもよりますが、およそ30分〜60分です。治療直後の歯は一時的に白く見えるため、2度目の来院で色味の確認や微調整、再研磨を行います。

費用は、当院の料金表ではダイレクトボンディング(ハイブリッドセラミックス)が1歯あたり2万2,000円〜(税込)です。自由診療(保険適用外)ですので、保険のレジンとの違いもご説明したうえで選んでいただけます。

まとめ:削る量を抑えて、気になる部分を整える

ダイレクトボンディングは、小さな虫歯の跡や歯の変色、前歯のすき間、歯の形といったお悩みに、削る量を抑えながら1日の通院で応えられる治療です。一方で、奥歯や広い範囲には向かず、時間とともに変色することもあります。

削る量を抑えて1日の通院で整えられること、向いているお悩み、奥歯や広い範囲には向かないこと、変色することがあること、費用の目安という5つの要点をまとめた図
お口全体を拝見したうえで、適した治療法をご提案します

当院では、その歯だけでなくお口全体を一口腔単位で拝見したうえで、セラミックの詰め物やラミネートベニア、歯を動かすインビザラインも含めて、適した方法をご提案しています。審美治療のページでは、お悩みから治療を選べるようにまとめていますので、あわせてご覧ください。

費用は当院の費用についてのページにも掲載しています。気になる歯をそのままにせず、まずは選択肢を知るところから始めてみてください。

松山市駅から徒歩2分の当院では、銀歯の詰め物を白くしたい、前歯のすき間を目立たなくしたいといったご相談を承っております。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。

自由診療(保険適用外)について

治療内容:ダイレクトボンディング(セラミックの粒子を配合したハイブリッドセラミックを歯に直接詰めて、色や形を整える治療)

費用(税込):1歯あたり2万2,000円〜(処置の内容により異なります)

治療期間・回数の目安:通常は1日の通院で治療が終わります(治療時間は処置の内容により、およそ30分〜60分)。2度目の来院で色味の確認や微調整、再研磨を行い、その後は定期的なメインテナンスが必要です。

主なリスク・副作用:

  • 樹脂(ハイブリッドセラミック)であるため、時間とともに変色することがあります
  • セラミックに比べると強度が劣るため、奥歯のように強い力がかかる部位や、治療する面積が広い場合には適用できないことがあります
  • 強い力がかかると、割れたり欠けたり、はがれたりすることがあります
  • 型取りをせず歯科医師が直接形を作る治療のため、仕上がりは歯科医師の技術に左右されます

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療の経過・効果には個人差があります。本記事で扱う治療には自由診療(保険適用外)が含まれます。詳しくは歯科医師にご相談ください。

執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾