インプラントの失敗が心配な方へ。原因と防ぐための備え
秋も深まり、朝晩はずいぶん冷え込むようになりました。歯を失って治療を考え始めたものの、インプラントは「失敗したらどうしよう」と不安になり、一歩を踏み出せずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。今回は、インプラントの失敗とはどのようなことを指すのか、なぜ起こるのか、そして防ぐためにどのような備えが大切なのかをお話しします。
目次
インプラントの失敗とは
原因1:治療前の診査と計画
原因2:手術のあとに起こること
原因3:治療後のメンテナンス不足
治療期間と、納得してから始めること
まとめ:不安なときはまずご相談を
インプラントの失敗とは
インプラントは、あごの骨にインプラント体を埋め、その上に人工の歯を装着する治療です。しっかり噛める歯を取り戻せることに大きな期待を寄せて、治療を決意される方が多いと思います。

期待どおりの結果になる方が多い一方で、思いどおりにならなかったと感じる方もいらっしゃいます。報告されている例としては、インプラントと骨が結合しなかった、ひどい腫れや強い痛み、麻痺が起こった、インプラント周囲炎が起こった、といったものがあります。
また、噛み合わせがおかしくなった、人工の歯の形や大きさに違和感がある、というように、治療後の使い心地や見た目に関わるものもあります。
ひとくちにインプラントの失敗といっても、その中身はさまざまです。まずは、どこで何が起こりうるのかを知っておくことが、不安を減らす第一歩になります。
原因1:治療前の診査と計画
失敗の原因として、まず挙げられるのが手術前の診査や診断が不十分なことです。レントゲンやCTで歯や骨の状態、血管や神経の走り方を調べ、お口全体の噛み合わせを確認し、病歴や服用中のお薬、生活習慣をお聞きします。健康状態は血液検査で確かめます。

これが不十分だと、手術中に神経や血管を傷つけたり、血圧や心拍に異常が出たり、治療後の噛み合わせがおかしくなったりすることがあります。
次に大切なのが治療計画です。骨や歯ぐきの状態は一人ひとり違います。インプラントを埋める位置や方向、大きさを決めるときには、その後に装着する人工歯が噛み合わせや見た目の面で無理なく納まることまで計算に入れる必要があります。
そして、計画どおりに埋められるかどうかは手術の技術にかかっています。骨に穴を開けるときにやけどをさせない、神経や血管を傷つけない、位置と角度を正確に合わせる、といった配慮が欠かせません。
原因2:手術のあとに起こること
手術のあとに、お顔が軽く腫れることがあります。通常は1週間〜10日ほどで治まりますが、まれに腫れが長引くことがあります。これは手術中の感染によって炎症が起こったものです。滅菌した器具を使い、感染予防を徹底することが大切です。

もう一つが、骨とインプラントが結合しないことです。歯科医師側の原因としては、計画や準備、診査の不足、埋める位置の誤りなどが考えられます。
一方で、患者さま側の原因もあります。骨の質が粗い、強く噛みすぎる癖がある、といった場合です。喫煙の習慣も影響しますし、生まれ持った体質や服用中のお薬の副作用が関わることもあります。
こうした原因が重なると、まれではありますが、骨と結合しない、あるいはインプラントが抜け落ちてしまうことがあります。手術前に生活習慣やお薬のことを詳しくお聞きするのは、そのためです。
原因3:治療後のメンテナンス不足
人工歯を装着したら終わり、ではありません。治療後のトラブルとして多いのが、インプラント周囲炎です。インプラントの周りで歯周病のような症状が起こるもので、主な原因は清掃不良や、強く噛みすぎることです。

歯ぐきの炎症の段階であれば健康な状態に戻すことができますが、重く進んで骨が溶けてしまうと、インプラントが抜け落ちることもあります。
また、お口の中は毎日使ううちに少しずつ変化します。人工歯がすり減る、ネジが緩む、歯ぐきに炎症が起こる、といった変化は、ご自身では気づきにくい部分で進みます。放っておくと人工歯の破損やインプラント周囲炎につながりかねません。
そのため当院では、治療後も4か月〜半年に一度メンテナンスにお越しいただき、噛み合わせやインプラントの状態、人工歯やネジの状態を確かめています。
治療期間と、納得してから始めること
インプラントを埋めたあとは、傷口が治り、骨とインプラントが結合するのを待つ期間があります。その期間は3〜6か月程度で、その間は月に1回程度通院していただき、傷口やインプラントの状態を確認します。

失敗の原因には、期待と治療結果のずれもあります。どのような手術を行い、どのような結果が見込めて、どのようなリスクがあるのか。この説明が不十分だったり誤解があったりすると、思わぬトラブルになることがあります。
医療者側は丁寧にご説明する必要がありますし、患者さまにも、十分に納得できるまで質問していただきたいと思います。分からないことをそのままにしないことも、失敗を防ぐ大切な備えです。
治療後に気になることが出てきたときも、遠慮なくお伝えください。
まとめ:不安なときはまずご相談を
インプラントの失敗には、診査や計画、手術、治療後のメンテナンス、そして説明と納得まで、さまざまな原因があります。裏を返せば、それぞれの段階で備えることで、多くは防ぐことができます。

失敗といっても、重大な事故に至らないものは、多くの場合、手術のやり直しや人工歯の作り直しで対応できます。まずは原因がどこにあるのかを見極めることが大切です。当院ではセカンドオピニオンもお受けしていますし、以前に入れたインプラントが長い年月を経て不具合を起こした場合の、取り外しと埋め直しも行っています。
当院では無料カウンセリングでお口の状態を拝見し、ご不安な点にお答えしています。費用は当院の費用についてのページに掲載しておりますので、ご検討の参考になさってください。
松山市駅から徒歩2分の当院では、インプラント治療に関するご相談をどんなことでも承っております。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。
自由診療(保険適用外)について
治療内容:インプラント治療(インプラント体の埋め込み、人工歯の装着)
費用(税込):例:奥歯1本にインプラント1本の場合 41万8,000円
治療期間・回数の目安:骨とインプラントが結合するのを待つ期間は3〜6か月程度で、その間は月に1回程度通院していただきます。治療後は4か月〜半年に一度のメンテナンスが必要です。
主なリスク・副作用:
- 外科手術のため、腫れや痛みが出ることがあり、まれに手術中の感染によって炎症が起こることがあります
- まれに、骨とインプラントが結合しない、あるいはインプラントが脱落することがあります
- 清掃不良や強く噛みすぎることにより、インプラント周囲炎が起こることがあります
- 人工歯のすり減りやネジの緩みを放置すると、人工歯の破損につながることがあります
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療の経過・効果には個人差があります。本記事で扱う治療には自由診療(保険適用外)が含まれます。詳しくは歯科医師にご相談ください。
執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾

