RADIO PROGRAM

DR.ケンゴの歯~トフル・ライフ 放送内容

当院の院長、中平賢吾先生がパーソナリティーをつとめる、ラジオ番組
「DR.ケンゴの歯~トフル・ライフ」(南海放送:「ニュースな時間」内で放送。)の放送内容のご紹介です。

2025.08.13日放送

  • DR.ケンゴの歯~トフル・ライフ。この番組は、松山中平歯科クリニックの提供でお送りします。歯の健康についてお送りするコーナー、お話は、松山中平歯科クリニック、中平賢吾院長です。よろしくお願いします。
  • よろしくお願いします。
  • さて、先週は先生の奥様がかかられた「抗NMDA受容体脳炎」という病気について教えていただきました。今日はそこから実際に診断がつくまでの、ご家族のご苦労についてお話しいただけるんですよね。
  • はい。正直なところ、家族としてこの診断がつくまでというのは本当に不安で、苦しい時間だったな思います。特に最初は精神的なものを疑い、まさか脳炎だとは思いもしなかったです。
  • 最初は、その精神疾患的な症状が出られたと先週も伺いました。
  • はい。実はこの病気を発症したときは、旅行中だったんです。大阪に行っていたのですが、そのときにちょっとうつのような状態になって。寝不足の影響もあるのかなと思い様子を見ていたのですが、そこからどんどん妄想や幻聴、記憶障害といったものが出てきて、やはりおかしいなということで旅行を切り上げ、愛媛に帰ってきてから精神科を受診しました。
  • まずは精神科を受診、最初はそう思いますよね。
  • そうなんです。受診したとき、先生自身も「躁うつ病とか統合失調症みたいな症状が出ているね」とおっしゃっていたので。その次の日に入院することになったのですが、入院してから症状がどんどん悪化していきました。例えば話しかけても反応が少し薄かったり、手足が勝手に動くような不随意運動が出たりして、「これは精神疾患だけではないのではないか」と確信をしていったような感じです。
  • それからはどうされたのですか。
  • そこで、私が「脳の方の問題なのではないか」と思い、その病院ではMRIが撮れなかったので、県立中央病院の救急科に搬送を依頼しました。搬送後に救急科の先生が「これは抗NMDA受容体脳炎の可能性がある」とおっしゃってくれたんです。
  • そこで初めて「抗NMDA受容体脳炎」という病名が出てきたんですね。
  • そうです。そこからは血液検査や脳脊髄液の検査、腫瘍の有無の確認などが進められました。CTを撮影したときに卵巣に奇形腫があることが判明し、今回の病気の原因になっている可能性が高いと分かりました。
  • 卵巣とその脳が繋がっているといいますか、人間の体って不思議だなと感じます。
  • そうですね、まさかこんなことが起こるなんて。実はこの病気にかかる前に子供を4人産んでいるので、エコーなどで腫瘍があるのは分かっていたんです。ただ、そのときは「子宮筋腫なのではないか」と言われていて、大きくならなければこのまま様子を見ましょうとなっていたのですが、実はそれが子宮筋腫ではなく卵巣奇形腫で、今回の原因になっていたということでした。
  • でも、やはり先生が「これは脳に関係あるのではないか」という気づきがあったからこそ、早い処置ができたのだと思います。その間も家族の皆さんも心配されたかと思いますが、どういったお気持ちでしたか。
  • 正直、もう戻ってこないのではないか、と何度も思いましたね。目の前で妻の人格が急激に変わっていくのを見て、僕自身もそうですし、妻の両親、子供たちも「ママどうしちゃったの」という感じで、本当にそれはそれは辛い思いでした。
  • まだ小さいお子さんがいらっしゃいますから、本当にご心配だったんですよね。
  • はい。妻が入院して最初の2、3日は、少し思い出しただけで泣いてしまうぐらいすごく辛い時期だったのですが、子供もまだまだ小さく、ここで支えないといけないという思いで、とにかく妻の治療をしっかりするために、できる限り情報を集めることに徹しました。この病気に関する論文を調べ上げたり、県立中央病院の先生とも何度もお話をさせていただいたりして、家族として、また、医療従事者として諦めないということが何より大事だったなと思います。
  • やはり先生も医療に携わっていらっしゃるからこそ、その先生方との話し合いやチームの取り組みを痛切に感じられたのではないですか。
  • 改めて感じたのは、病院の先生や看護師さん、リハビリのスタッフさん、皆さんがチームとなって取り組んでいただいて、本当に……この病気だけでなく全ての病気もそうですけれど、医療のチーム力がないと治らないのだなと実感しました。妻の場合も、救急科や神経内科、婦人科、耳鼻科、集中治療室(ICU)、リハビリなど、色々な部署の方が関わってくださっています。
  • まさに総力戦で病と立ち向かうわけですね。
  • はい。命を救うためにそれぞれの専門家が力を合わせるということは、医療の本質だなと思いました。我々歯科でも、全身の健康や命と密接に関わることもありますので、患者さんの全体を見る目を持たないといけないなと改めて感じました。
  • 今日先生のお話を伺っていて、急に性格が変わるというのは認知症のときに現れる症状だと聞いたことはあったのですが、若い女性の方がということは初めてお聞きして、そういうことがあるのだと改めて知りました。先生からリスナーの方に何か伝えたいことはございますか。
  • 皆さんの周りでも「今までこんなことなかったのにな」とか「この人が本当にうつ病になるの?」という方がいらっしゃった時には、単なる精神疾患だけでなく、脳炎などの病気かもしれないと疑う視点もぜひ持っていただきたいなと思います。一つの病気だと決めつけるのではなく、複数の可能性を持ちながら判断していくのが、結果的に命を守るきっかけになるかもしれません。
  • 来週は、もしも大切な人が急に性格や行動が変わったら、注意すべき兆候についてお話しいただきます。特に家族や身近な人だからできること、先生の視点で教えていただきたいと思います。ぜひ来週もお聞きください。先生、今週もありがとうございました。
  • ありがとうございました。
  • DR.ケンゴの歯~トフル・ライフ。この番組は、松山中平歯科クリニックの提供でお送りしました。