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歯科治療も医療費控除の対象です。対象と申告の注意点

2026/09/10

これから年末にかけて、確定申告という言葉を目にする機会が増えてきます。歯の治療をお考えの方の中には、費用のことが気にかかって、なかなか一歩を踏み出せずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。私は歯科医師であると同時に、FP2級(ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を持っています。今回はその知識を生かして、歯科治療と医療費控除についてお話ししていきます。ご存じない方が意外と多い制度ですが、知っているかどうかで負担が変わってきます。

目次

医療費控除とはどんな制度か
歯科治療で対象になるもの
対象にならないものもあります
控除には上限があります
申告のときに気をつけたいこと
まとめ:制度を知って、健康とお金の両方を守る

医療費控除とはどんな制度か

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円、もしくは所得の5%を超えたときに、確定申告をすることで税金が戻ってくる制度です。

年間の医療費が10万円か所得の5%を超えると、確定申告で税金が戻る医療費控除のしくみを示した図
歯科治療の費用も対象になります

この医療費には、歯科治療の費用も含まれます。「歯医者さんは対象外なのでは」と思われている方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。歯の治療も、体の治療と同じように対象になります。

年間10万円以上の医療費というと、お若い方にはあまり縁がないかもしれません。実際、大きな治療を受ける機会がなければ、一度も使ったことがないという方がほとんどだと思います。

ただ、こういう制度があるということを知っておいていただくだけでも、いざというときに大切なお金を無駄にせずに済みます。戻ってくるものなら戻ってきたほうが嬉しいですよね。

歯科治療で対象になるもの

まず、虫歯の治療や歯周病の治療といった保険診療は対象になります。そして、インプラント入れ歯などの自費診療も対象です。金額が大きくなりやすいのは、むしろこちらのほうでしょう。

保険診療、自費診療、通院の交通費、お子さんの矯正治療が医療費控除の対象になることを示した図
金額が大きくなりやすいのは自費診療です

見逃されがちなのが、通院のためにかかった公共交通機関の費用です。バスや電車で通われた分も、医療費として含めることができます。

また、お子さんの矯正治療も対象になります。成長のために必要と判断される矯正は、治療として扱われるためです。

インプラントや入れ歯、お子さんの矯正といった治療は、どうしても金額が大きくなります。だからこそ、この制度を知らないままでいるのは惜しいと思うのです。

対象にならないものもあります

一方で、対象にならないものもあります。審美目的のホワイトニング、そして審美目的の矯正治療です。歯ブラシやデンタルフロスといった日用品の購入費も対象外になります。

医療費控除の対象になる歯科治療と、対象外になる審美目的の治療や日用品を比べた図
分かれ目は治療かどうかです

分かれ目になるのは、それが治療なのか、治療ではないのかという点です。見た目を美しくすることが主な目的であれば、医療費控除の対象にはならないとお考えください。

同じ矯正治療でも、お子さんの成長のために必要なものと、大人の方が見た目を整えるために受けるものとでは扱いが変わってきます。ご自身のケースがどちらにあたるか迷われたときは、後述するように税務署にご確認いただくのが確実です。

控除には上限があります

意外と知られていないのですが、医療費控除には上限があります。年間200万円までが対象で、これを超えた分については控除されません。

医療費控除の対象になる医療費の上限が年間200万円であることを示した図
実際に戻る額は所得に応じた税率で変わります

ただし、200万円分がそのまま戻ってくるという意味ではありません。控除される額は所得に応じた税率によって変わりますので、実際にいくら戻るかはお一人おひとり違ってきます。

細かい計算については国税庁のホームページにも掲載されていますし、分からないことがあれば税務署にお尋ねいただくのが確実です。

申告のときに気をつけたいこと

まず、領収書や明細書は必ず保管しておいてください。これがないと申告ができません。

領収書の保管、会社員の確定申告、5年さかのぼれること、税務署への相談という4つの注意点を示した図
迷ったら自己判断せず税務署へご相談ください

そして、特に会社にお勤めの方に気をつけていただきたいのが、年末調整とは別に確定申告が必要になるという点です。会社で年末調整をしていただいていても、医療費控除を使うには、ご自身で確定申告をしなければ適用されません。ここは非常に大きな注意点です。

なお、申告は5年間さかのぼって行うことができます。過去に大きな治療を受けたのに申告していなかったという方は、一度確認してみる価値があります。

細かいところで「これはどうなんだろう」と迷われることも出てくると思います。そうしたときは、自己判断で決めてしまわず、税務署にご相談ください。相談に応じていただけますし、そのほうが正確です。

まとめ:制度を知って、健康とお金の両方を守る

当院は自費診療を中心に治療を行っております。費用について不安をお持ちの方には、医療費控除の仕組みも含めて丁寧にご説明しておりますので、安心してご相談ください。

歯科治療も対象、審美目的は対象外、上限は年間200万円、領収書を保管して確定申告という要点をまとめた図
制度を知って、健康とお金の両方を守りましょう

私は、歯の治療は出費ではなく、未来への投資だと考えています。一口腔単位でお口全体を整えておけば、その後に治療を繰り返す負担も少なくて済みます。こうした制度を上手に活用しながら、健康とお金の両方を守っていただければと思います。

費用が気になって治療をためらっていらっしゃる方は、医療費控除という方法があることを、ぜひ知っておいてください。ご不明な点は、お気軽に当院までご相談ください。

当院で行っている治療の費用については、ホームページの費用についてのページにも掲載しております。ご検討の際の参考になさってください。

松山市駅から徒歩2分の当院では、治療の費用や医療費控除についてのご相談もお受けしています。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。

執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾

お口の大掃除。歯科メインテナンスで落とす汚れと分かること

2026/09/07

お家の中は季節ごとに片づけていても、お口の中の大掃除まで意識されている方は、そう多くないのではないでしょうか。実はお口の中にも、少しずつ蓄積していく汚れがあります。

こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。今回は「お口の大掃除」、つまり歯科医院で行うメインテナンスについてお話ししていきます。何を落としているのか、そのとき何を診ているのか。意外と知られていない部分をご紹介します。

目次

毎日磨いていても、落としきれない汚れがあります
歯科のメインテナンスでは何をしているのか
きれいにするだけではありません
どのくらいの頻度で受ければよいか
笑顔のメインテナンスという考え方
まとめ:お口のメインテナンスは、人生のメインテナンス

毎日磨いていても、落としきれない汚れがあります

毎日きちんと磨いていらっしゃる方でも、歯ブラシでは落としきれない汚れがあります。

歯石、バイオフィルム、着色汚れという歯ブラシでは落としきれない3つの汚れを並べた図
少しずつ、気づかないうちに蓄積していきます

代表的なものが、歯と歯の間の歯石、バイオフィルムと呼ばれる細菌の膜、そしてコーヒーやお茶などによる着色汚れです。これらは一日で溜まるものではなく、少しずつ、気づかないうちに蓄積していきます。

歯石は一度ついてしまうと、ご自宅の歯ブラシでは取れません。バイオフィルムも同じで、細菌が膜のように歯の表面を覆っているため、うがいや歯みがきでは流れ落ちてくれないのです。

だからこそ、年に数回はプロによるクリーニングで落としていただくことが、歯ぐきの健康を保つうえでとても大切になります。ご自宅のケアとプロのケアは、どちらか一方では足りず、両方あって初めて十分になるとお考えください。

歯科のメインテナンスでは何をしているのか

歯科医院のメインテナンスでは、専用の器具を使って歯石やバイオフィルムを除去し、歯の表面を磨き上げていきます。

歯石とバイオフィルムの除去、着色汚れの除去、歯の表面の磨き上げという手順を示した図
表面がなめらかになると汚れがつきにくくなります

表面がなめらかに整うと、その後の汚れもつきにくくなります。つまり、その場をきれいにするだけでなく、次に汚れが溜まるまでの時間を延ばす意味もあるのです。

これによって、虫歯歯周病のリスクを大きく減らすことができます。口臭の予防という点でも効果があります。

着色汚れについても、専用の器具で落としていきます。コーヒーやお茶、赤ワインなどをよく召し上がる方は、つきやすい傾向があります。ご自身では気になっていた変色が、クリーニングで改善することも少なくありません。

きれいにするだけではありません

メインテナンスの価値は、汚れを落とすことだけではありません。同時に、噛み合わせ、歯ぐきの状態、虫歯の有無もあわせて確認していきます。

噛み合わせ、歯ぐきの状態、虫歯の有無、前回との比較という4つの確認項目を示した図
小さなトラブルのうちに見つけることが大切です

この「ついでに診る」部分が、実はとても大きな意味を持ちます。小さなトラブルの段階で見つけられれば、結果的に大きな治療になることを防げるからです。

歯周病は、痛みが出ないまま進んでいくことが多い病気です。ご自身では気づけないからこそ、定期的に歯ぐきの状態を測って記録し、前回と比べていくことに意味があります。

痛みが出てから来院された場合、すでに治療の選択肢が限られていることがあります。まさにお口の健康診断として、症状のないうちに受けていただきたいと思います。

どのくらいの頻度で受ければよいか

目安としては、3か月から4か月に1回程度です。年に3回から4回とお考えいただくとよいでしょう。

メインテナンスを受ける間隔の目安が3か月から4か月に1回であることを示した図
適切な間隔は歯周病の状態や生活習慣で変わります

ただし、これはあくまで目安です。歯周病の状態や、汚れのつきやすさ、生活習慣によって、適切な間隔は変わってきます。ご自身に合った間隔については、受診の際にご相談ください。

毎年12月はメインテナンスのご予約が大変混み合います。年末に大掃除をされる方が多いのと同じで、お口も一年の区切りで整えたいというお気持ちなのだと思います。ただ、お口の汚れは季節を選びません。混み合う時期を避けて、ご都合のよいときに定期的に受けていただくほうが、結果としては続けやすいはずです。

笑顔のメインテナンスという考え方

当院では、メインテナンスの際にRayfaceという顔面スキャナーを活用して、お顔全体のバランスや笑顔の見え方を確認することもできます。

笑ったときの歯の見え方、口角の高さの左右差、お顔全体のバランスを確認することを示した図
記録を残すと、以前の形の再現にも役立ちます

笑ったときにどのくらい歯が見えるか、口角の高さが左右で揃っているか。こうしたお口の表情のトータルチェックを行っています。

こうした記録を残しておくことには、思わぬ利点があります。たとえば事故で歯を失われたようなとき、「以前の前歯がよかった」と思われることがあります。デジタルのデータとして残しておけば、ほとんど同じ形で再現することができるのです。歯を磨くだけでなく、笑顔のメインテナンスとしてもおすすめしています。

まとめ:お口のメインテナンスは、人生のメインテナンス

お口の中がきれいになると、自然と笑顔も明るくなります。歯のケアは、健康と見た目の両方を整える大切な習慣です。

毎日の歯みがきと年に数回のプロのケアが、10年後、20年後のお口を守ることを示した図
毎日の習慣にプロのケアを足すだけで、将来が変わります

新しい年や新しい季節の区切りに合わせてお口をリセットすると、それだけで気持ちが明るく切り替わるように感じます。歯を磨くという毎日の習慣に、年に数回のプロのケアを足すだけで、10年後、20年後のお口はずいぶん変わってきます。

そして、お口が健康だと自然に笑顔が増え、人との関わりも前向きになっていきます。歯のメインテナンスは、実は人生のメインテナンスでもあると私は考えています。

お家の片づけが一段落したら、ぜひお口のことも思い出してみてください。松山市駅から徒歩2分の当院では、年間を通じてメインテナンスを行っています。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。

執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾

噛み合わせと顔のバランス。3D顔面スキャナーで見えること

2026/08/31

片方の歯ばかりで噛む癖はありませんか。あるいは、鏡を見ていて口角の高さが左右で違うように感じたことはないでしょうか。実はそうした変化に、噛み合わせが関わっていることがあります。

こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。当院では顔全体を立体的にスキャンする装置を導入し、噛み合わせと顔のバランスをあわせて確認できるようになりました。今回は、噛み合わせと顔の関係、そしてそれをどう診ているかについてお話ししていきます。

目次

噛み合わせのずれは、顔にもあらわれます
これまで分からなかったこと
顔まで含めて重ね合わせる
「見える説明」が変えたもの
治療後の姿を、一緒に見ながら決める
まとめ:歯だけでなく、顔全体のバランスから考える

噛み合わせのずれは、顔にもあらわれます

噛み合わせが少しずれているだけでも、顔の左右差やフェイスラインに影響が出ることがあります。

片側で噛む癖が筋肉のつき方を変え、口角の高さに左右差が出るまでの流れを示した図
無意識の噛み癖はご自身では気づきにくいものです

たとえば、片方の歯でばかり噛む癖があると、筋肉のつき方が左右で変わってきます。その結果、口角の高さが左右で違って見えることもあるのです。

顔のバランスは、思いのほか繊細にできています。お口の中の小さなずれが、外から見える印象にまでつながっていく。そう考えると、噛み合わせを整えることの意味も少し変わって見えてくるのではないでしょうか。

ご自身では気づきにくい部分でもあります。長年の噛み癖は無意識のうちに身についているもので、指摘されて初めて「言われてみれば」と思い当たる方がほとんどです。

これまで分からなかったこと

以前は、レントゲンや模型を使って、歯や骨の情報だけを見ながら噛み合わせを調整していました。

レントゲンや模型では表情まで分からなかったことと、顔面スキャナーで顔まで確認できるようになったことを比べた図
顔とのバランスという最後の一片が加わりました

しかしそれだけでは、軟組織、つまり顔の表情や唇の動きまでは分かりません。コンピューター上でかぶせ物の設計をしていても、きれいな歯並びではあるけれど、それが実際にその方のお顔に合っているのかどうかは判断できなかったのです。

CTのデータとお口の中のスキャンデータを重ね合わせるところまではできていました。ただ、顔とのバランスという最後の一片が欠けていた、という状態でした。

顔まで含めて重ね合わせる

当院が導入したのは、患者さんの顔全体を立体的にスキャンし、歯や顎、表情を組み合わせてデジタルデータとして記録できる装置です。

CT、口腔内スキャン、顔面スキャンの3つのデータを重ね合わせることを示した図
噛み合わせの水平ラインを顔全体の中で確認できます

これにより、CTで得られる骨の位置や顎の関節の情報、お口の中のデジタルデータ、そして顔のスキャンデータという3つを重ね合わせられるようになりました。

たとえば咬合平面、いわゆる噛み合わせの水平ラインが、顔全体のどの位置にあるのかを立体で確認できます。歯だけを見ていたときには分からなかった関係が、目に見える形になったということです。

インプラント治療では以前から、CTのデータとお口の中のデータを組み合わせて埋入位置を計画する仕組みを使ってきました。そこに顔の情報が加わったことで、計画の精度をお顔全体との関係でも確かめられるようになりました。

「見える説明」が変えたもの

実際に使ってみて、いちばん大きく変わったのは説明の仕方でした。

画像や模型による平面の説明と、ご自身の顔で見られる立体の説明を比べた図
ご自身の目で見て理解していただけます

これまではCTの画像や模型、お口の中の写真をお見せしながらご説明していましたが、平面の情報ではどうしてもイメージがつかみにくいのです。「こう変わります」とお伝えしても、伝わりきらないもどかしさがありました。

顔全体を立体で映し出せると、「この位置に歯が入るとこう見えます」「この角度だと自然です」といったお話がしやすくなります。ご自身のお顔で見ていただけますから、説得力がまるで違います。

以前は「先生がそう言うなら」と信頼していただくしかなかった部分が、いまはご自身の目で見て理解していただけるようになりました。これは患者さんにとって、大きな安心につながっていると感じています。

治療後の姿を、一緒に見ながら決める

矯正治療やインプラント治療、審美的な治療では、治療後にどう変わるのかを立体でシミュレーションしながらご相談できます。

顔をスキャンし、治療後をシミュレーションし、ご要望を伺い、診査・診断のうえで説明する流れを示した図
実際の仕上がりには個人差があります

そうすると、患者さんのほうから「もう少し歯が長いほうがいい」といったご要望が出てくることもあります。こちらが一方的に提案するのではなく、一緒に見ながら決めていける。納得して選んでいただける治療に近づいたと思います。

なお、実際の仕上がりには個人差があります。骨や歯ぐきの状態によってできること・できないことがありますので、シミュレーションはあくまで検討のための材料としてご覧いただき、詳しくは診査・診断のうえでご説明しています。

まとめ:歯だけでなく、顔全体のバランスから考える

当院が大切にしている一口腔単位の治療は、悪くなった部分だけを治すのではなく、お口全体を見て計画を立てるという考え方です。今回お話しした顔とのバランスは、その考え方をさらに一歩広げたものだといえます。

片方でばかり噛む癖、顔の左右差、噛み合わせの指摘という3つの心当たりを挙げた図
お顔全体のバランスを含めてご説明します

噛み合わせは、噛めるかどうかという機能の問題であると同時に、見た目の印象にも関わってきます。どちらか一方だけを追いかけても、良い結果にはつながりにくいのです。

片方でばかり噛む癖がある、顔の左右差が気になる、噛み合わせを指摘されたことがある。そうした心当たりのある方は、一度ご相談ください。お口の中だけでなく、お顔全体のバランスを含めてご説明させていただきます。

松山市駅から徒歩2分の当院では、お顔全体のバランスを見ながら治療計画をご提案しています。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。

執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾

人生100年時代、歯は健康資産。予防が出費を抑える理由

2026/08/24

人生100年時代といわれるようになりました。80歳までと思っていた人生設計に、さらに20年が加わったことになります。その間、私たちはずっと自分の歯を使い続けます。

こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。私は歯科医師であると同時に、FP2級(ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を持っています。今回はその視点も交えて、歯の予防とお金を守ることのつながりについてお話ししていきます。

目次

94年間、使い続けられるものはほかにありません
歯を失うことは、家計にも影響します
予防にかかる費用を考えてみる
ただし、通えばよいというわけではありません
資産設計と、歯の治療計画は似ています
まとめ:歯を守ることは、人生を守ること

94年間、使い続けられるものはほかにありません

いちばん早く生えてくる大人の歯は、6歳ごろから使い始めます。仮に100歳まで生きるとすれば、その歯を94年間使い続けることになります。

6歳で生える大人の歯を100歳まで使うと94年間になることを示した図
無傷で使い続けるには予防が欠かせません

身の回りを見渡してみてください。94年間、無傷で使えたものが何かあるでしょうか。家でさえ、その間には建て直したり、補修したりしますよね。

無傷のまま94年というのは、正直なところ奇跡に近いことです。だからこそ、その奇跡を起こすために予防が大切になってくるのです。

しかも歯は、毎日休みなく働き続けます。食事のたびに強い力がかかり、酸にもさらされる。これほど過酷な条件で使われる部位は、体の中でもそう多くありません。

歯を失うことは、家計にも影響します

大人の歯は、一度失われると二度と生えてきません。そして歯を失うと、食べられるものが制限されます。

歯を失うと食事が制限され、健康を損ない、医療費や介護費が増えるまでの流れを示した図
歯を守ることはお金を守ることにつながります

食生活が制限されれば、体の健康そのものを損ないます。その結果として、医療費や介護費の増加につながっていくのです。

つまり、歯を守ることは、そのままお金を守ることに直結しています。失ってからの治療にも当然費用がかかりますし、それが複数本ともなれば、老後の資金計画にも小さくない影響が出てきます。

噛めないものが増えると、食べるものが偏ります。やわらかいものばかりを選ぶようになり、栄養のバランスが崩れていく。歯の問題が体全体に広がっていくのは、こうした道すじです。

予防にかかる費用を考えてみる

一方で、予防にかかる費用はどうでしょうか。定期検診やクリーニングは、1回あたり数千円程度です。

定期検診やクリーニングの1回あたりの費用、通う頻度、年間の目安を並べた図
定期検診・クリーニングの目安です。内容により異なります

4か月に1回、あるいは半年に1回のペースであれば、年間で1万円から2万円ほど。この程度の負担でお口の健康を保ち、将来の大きな出費を防げるのだとすれば、費用対効果は非常に高いといえます。

これは今40代、50代、60代の方にも当てはまりますが、私が特にお伝えしたいのはお子さんのことです。これからお子さんには、物価の上昇も含めていろいろな場面でお金がかかります。そのうえ歯にまで大きな費用がかかるのは、ご家庭にとって大きな負担です。小さいうちに予防の習慣をつけておくことが、いちばんの備えになります。

ただし、通えばよいというわけではありません

ここは正直にお伝えしておきたいのですが、定期検診に通いさえすれば歯が守れる、というわけではありません。

虫歯や歯周病の有無を見るだけの予防と、噛み合わせまで確認する予防を比べた図
ご自宅のセルフケアとの両輪が欠かせません

虫歯があるかないか、歯周病があるかないかを見るだけでは不十分です。噛み合わせもきちんと確認して、ここに負担がかかっているから少し削って調整しましょう、といったところまで診てくれるかどうか。そこまで行う予防でなければ、期待した効果は出にくいのです。

そしてもうひとつ、定期的な受診にプラスして、ご自宅でのセルフケアが欠かせません。この二つは両輪です。ご自身できちんと磨いたうえで、定期的に歯科医院で歯石を取り、歯周病の治療や噛み合わせの調整を受ける。歯科医院に行くだけで歯が守れるわけではない、という点はぜひ覚えておいてください。

資産設計と、歯の治療計画は似ています

ファイナンシャルプランニングでは、ご自身が何歳のときにどうなるのかを見通しながら、何を優先するかを考えて計画を立てていきます。

資産を分散して長期で守る考え方と、お口全体を長期で計画する治療の考え方を比べた図
考え方の骨組みは同じです

歯の治療も、実はよく似ています。資産を分散して守るのと同じで、歯も1本ずつ治していくのではなく、お口全体を見て予防し、治療していくことが大切です。

1本ずつ治していっても、ほかがだめになってしまえば結果は変わりません。当院が掲げる一口腔単位の包括治療は、まさにライフプランの設計に近い考え方です。その場だけの短期的な治療ではなく、長期的な視点で計画を立てることが、将来の安心につながっていきます。

何歳のときに何が起こりうるかを想定して、そこから逆算して備える。お金の計画でも、お口の計画でも、考え方の骨組みは同じだと感じています。

まとめ:歯を守ることは、人生を守ること

歯は健康資産であり、人生100年時代の生活を支える基盤です。食べることは、そのまま生きることに直結しています。

歯は健康資産であること、予防は費用対効果が高いこと、お口全体を長期で計画することを示した図
今日から予防を意識していただければと思います

当院では一口腔単位の包括治療を行っております。1本の歯だけを見るのではなく、お口全体をひとつの単位として、長い時間軸で計画を立てていきます。

歯を守ることは、人生を守ることにつながります。ぜひ今日から予防を意識していただければと思います。ご自身に合った検診の間隔やケアの方法については、お気軽にご相談ください。

当院の費用については、ホームページの費用についてのページにも掲載しております。あわせてご覧いただければと思います。

松山市駅から徒歩2分の当院では、噛み合わせまで確認する定期検診を行っています。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。

執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾

その歯ぎしり、ストレスのサインかも。リスクと今夜からのケア

2026/08/17

「夜、歯ぎしりしていたよ」とご家族から言われたことはありませんか。あるいは日中、ふと気づくと奥歯を強く噛みしめている。そんな経験のある方は少なくないと思います。

こんにちは。松山中平歯科クリニックの中平賢吾です。私は歯科医師であると同時に、アロマテラピー1級の資格を持っています。今回はその知識も交えながら、歯ぎしり・食いしばりとストレスの関係、そしてご自宅でできるケアについてお話ししていきます。

目次

歯ぎしり・食いしばりはストレスのサイン
放置すると起こること
マウスピースでできること、できないこと
香りを使ったセルフケア
もうひとつ大切なのは呼吸です
まとめ:歯の治療と生活習慣、両方から整える

歯ぎしり・食いしばりはストレスのサイン

歯ぎしりや食いしばりは、ストレスが原因で起こることが非常に多いものです。眠っている間のことですから、ご自身ではなかなか気づけません。

歯ぎしりや食いしばりに気づくきっかけになる4つのサインを挙げた図
ひとつでも当てはまれば一度ご相談ください

日中の食いしばりも同じです。仕事や家事に集中しているとき、無意識に奥歯を噛みしめている方は思いのほか多くいらっしゃいます。

「ストレスがある」と自覚していなくても、体のほうが先に反応していることがあります。歯ぎしりは、その反応が歯にあらわれたものだとお考えいただくと分かりやすいかもしれません。

ご家族に指摘されて初めて気づいた、という方が実際とても多いのです。心当たりのある方は、一度お口の中を診させていただく価値があります。

放置すると起こること

そのままにしておくと、まず歯そのものがすり減っていきます。詰め物やかぶせ物が割れる、歯そのものが割れる、といったことも起こります。

歯ぎしりを放置すると歯のすり減りから頭痛や肩こりまで起こりうることを示した図
噛みしめは体全体に負担をかけます

影響はお口の中だけにとどまりません。顎関節症、頭痛、そして肩こりにつながることもあります。噛みしめるという行為は、それだけ体に負担をかけているのです。

とくに詰め物やかぶせ物が入っている歯は注意が必要です。強い力が繰り返しかかることで、材料が耐えきれずに欠けたり外れたりすることがあります。

歯ぎしりや食いしばりで得をすることは、ひとつもありません。気づいた時点で手を打っていただきたいと思います。

マウスピースでできること、できないこと

歯ぎしりが強い方には、歯を守るためのマウスピース(ナイトガード)を使う治療があります。眠っている間の歯の摩耗や負担を軽くするうえでは、たいへん効果的です。

ナイトガードで歯を守れる一方、ストレスという原因は解決できないことを比べた図
歯を守りながら原因にも手を入れる二本立てで

ただ、正直にお伝えしておきたいのですが、これは対症療法です。いま起きていることを緩和するためのもので、原因そのものを解決してくれるわけではありません。

ですから、頭痛が続く、肩こりが治らないといった症状については、根本的なところから見ていく必要があります。つまり、ストレスそのものを減らす工夫が欠かせないということです。

マウスピースで歯を守りながら、並行して原因のほうにも手を入れていく。この二本立てで考えていただくのがよいと思います。

香りを使ったセルフケア

ストレスを和らげる方法のひとつが、香りを使ったセルフケアです。当院でも以前からアロマを取り入れており、その効果をきちんと学びたいと思ったことが、私が資格を取ったきっかけでした。

ラベンダー、ベルガモット、ゼラニウムの香りの特徴を並べた図
ティッシュに1滴垂らして枕元に置くだけで十分です

リラックス効果があるといわれるのがラベンダーです。ベルガモットは気持ちを明るくしてくれる爽やかな香り、ゼラニウムは自律神経のバランスを整える働きがあるといわれています。

使い方は難しくありません。ティッシュに精油を1滴垂らして枕元に置いていただくだけで十分です。寝る前に軽く香りを取り入れると、心と体が落ち着いて深く眠れるようになり、それが歯ぎしりの軽減につながることがあります。

香りの好みは人それぞれです。ご自身が心地よいと感じる香りの中から、リラックスできるものを選んでいただくと、より深く眠れる香りに出会えるはずです。

もうひとつ大切なのは呼吸です

香りと合わせてぜひ意識していただきたいのが、呼吸です。交感神経が優位になっていると、どうしても呼吸が浅くなってしまいます。

鼻から4秒で吸い、6秒で吐く呼吸をくり返して副交感神経を優位にする流れを示した図
深呼吸は1日に何回行っても構いません

おすすめは、鼻から4秒かけてゆっくり吸い、6秒かけてゆっくり吐く方法です。これを数回繰り返すと副交感神経が優位になり、体が眠りやすい状態に整っていきます。顎の力みも抜けやすくなります。

深呼吸は、それだけでも十分な効果があります。1日に何回行っていただいても構いません。疲れたなと感じたときに、体を伸ばしながらゆっくり呼吸をするだけで、頭がすっきりして気持ちもリフレッシュできます。

生活習慣の面では、ベッドにスマートフォンを持ち込まない、といった小さなことから始めていただくのもよいと思います。

まとめ:歯の治療と生活習慣、両方から整える

歯ぎしりや食いしばりは、歯だけの問題ではありません。噛み合わせを含めたお口全体、そしてそれを取り巻く生活習慣まで含めて考えていく必要があります。

マウスピース、香りと呼吸、噛み合わせと生活習慣の見直しという3つの対策を示した図
歯の治療と生活習慣の両方から整えます

当院では一口腔単位の治療を大切にしていますが、それはお口の中だけを見るという意味ではありません。生活習慣も含めてアドバイスさせていただいています。

日ごろのケアについては、虫歯・歯周病予防のページでもご案内しています。あわせてご覧いただければと思います。

朝起きたときに顎がだるい、歯科医院で歯がすり減っていると言われた。そうした心当たりがある方は、早めにご相談ください。そのうえで、日常では香りと呼吸を取り入れて、心を緩めていっていただければと思います。

どのような対応が向いているかは、噛み合わせの状態によって変わります。無料カウンセリングも行っておりますので、まずはお気軽にお越しください。

松山市駅から徒歩2分の当院では、噛み合わせまで含めて歯ぎしりの原因を一緒に考えていきます。ご予約はお電話のほか、WEB予約からも承っております。

執筆者:松山中平歯科クリニック 中平賢吾