インプラント治療を行い、成功へと導くためには、インプラント体(フィクスチャー)を適切な深さ、幅に埋入するための歯槽骨の幅や量が必要となります。しかし、現状では骨量が不足している患者様は多くいらっしゃいます。
その場合、インプラント治療は不可能かというとそうではなく、骨料が不足しているところに、人工的に骨を作ってあげればよいのです。それが骨再生法です。
インプラント治療を長期的な安定したものとし、また明るい食生活、素敵な笑顔を長く保つためには非常に有効な方法です。

歯槽膿漏によって、歯槽骨が吸収していくと、骨の幅や高さが減少していきます。歯槽膿漏(歯周病)とは、プラーク(歯垢)のなかの細菌が歯周ポケットという歯と歯肉の間にある溝から侵入して歯を支えている歯槽骨を破壊して食べつくして、やがて歯が抜け落ちてしまう病気です。
このように歯が抜けるようになったときには、骨の吸収はかなり進んでいて、歯槽骨はかなり後退していることが予想できます。
頬骨の奥に上顎洞というものが存在します。この空洞は鼻腔へとつながっていて、鼻柱骨によりまん中で左右にわかれています。この空洞が生まれつき下の方へ、つまりお口の近くにある方は、上顎の骨が薄くなっています。(1〜2ミリほどの厚さしかないケースもあります。だから上顎のインプラントは難しい場合が多いのです。)
入れ歯を長く使用していると様々な方向から歯槽骨に圧力がかかり水平的に骨が吸収されることがあります。
GBRとは、Guided Bone Regenerationの略で、骨誘導再生法とも呼ばれます。インプラントを埋め込む前に行う方法と、インプラント埋め込みと同時に行う方法の2種類があります。
インプラントを埋め込む前に行う場合
まず、歯肉の中に骨の再生を促す特殊な膜を入れます。
状態によって異なりますが、4〜8ヶ月間骨が成熟するのを待ちます。その後、膜を除去するとインプラントに適した骨が膜の下に再生しています。
そこで初めてインプラントの埋入を行います。
この場合、治療期間が長くなりますが、もともと大きく骨の幅がない人などはこのGBR 法を行ってからインプラントを行う必要性があります。
無理な状態でインプラントを行ったとしても長期的な安定は期待できません。
今後のことを考えれば確実な選択といえます。
インプラントと埋め込み同時の場合のやり方
インプラントを行うには骨が少ないが(骨幅に問題があるが)、術前GBR 法をしなくても大丈夫な場合に行います。
インプラントを埋入すると同時にGBR 膜を併用します。3〜6ヶ月後に膜を除去し、後は上部構造(人工歯)を作製するだけです。
上顎骨の内部には上顎洞と呼ばれる大きな空洞が存在します。
この空洞は様々な要因がきっかけとなり、拡大する傾向を持っています。
さらに、歯がなくなると歯槽骨も吸収しますので、上顎においては歯槽骨側と上顎洞側から骨吸収が進行することも少なくないのです。
そこで、膨らんできた上顎洞に移植骨や骨補填材、最近ではインプラント本体の一部を挿入して、上顎洞の底部分を押し上げる技術が開発されました。
これが上顎洞底挙上術です。そうすることによって埋め込んだインプラントがしっかり安定します。
上顎骨は下顎骨に比べて骨吸収の量が多くなりがちで、インプラントを埋め込むには骨量が十分でないケースが多く見られます。
「多血小板血漿(PRP)による骨再生方法」
「さまざまな骨を作る方法がありますが、多血小板血漿(PRP)を利用した方法は、そのうちのひとつで組織再生の能力を最大限に高める治療法です。
血小板は創傷治癒になくてはならないものです。
たとえば、足に怪我をして傷口から出血します。
それが時間がたてば、血が固まり、治癒過程が始まり、傷口は治っていくでしょう。
それでは、どういう風にして治癒が起こるのでしょうか。
血小板には、多くの成長因子が含まれていますが、その働きによって創傷治癒の調整あるいは促進が行われるのです。
これらの成長因子により、傷ついた部分が再生されるのです。PRPは、血小板の塊ですから当然凝固するわけですが、その凝固時に成長因子(造骨因子)を放出することとなります。
その結果、骨再生の能力が最大限に高められることとなり、より確実に、より安全に造骨が可能となるのです。」
サイナスリフトと同様に、上顎の骨があまりない場合は、上顎洞の粘膜の下に、骨になる材料(自家骨等)を置き、固まるのを待ちます。
インプラントを埋入する穴の奥に、将来骨になる物質を入れ、少しずつ上顎洞粘膜(シュナイダー粘膜)を上げていきます。
そして、それが完全に骨になるのを待って、上に歯を作っていきます。
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